パックツアーについて①

 この章では、前章の基本スタンスでも紹介した「パックツアー」について具体的に紹介する。パックツアーのメリットやデメリットも参考にしながら、個人旅行との比較もしてもらいたい。また、次章では「パックツアー」と「個人旅行」の具体的な比較を、事例を交えて紹介するので、そちらも参照されたい。

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壱の巻:パックツアー活用のすすめ

(1)パックツアーについて

 正式名称は「募集型企画旅行」という。その具体的な定義は、「旅行会社が旅行目的地および日程、宿泊や交通、観光などのサービス内容、料金をあらかじめ設定し参加者を募る旅行」とされている。分かりやすく言えば、航空券やホテルの手配等はまとめて旅行会社で実施する旅行ということができる。

(2)主なメリット

①旅程保証

 旅行保証とは、旅行者に交付した最終日程表のとおりに旅行が続けられるよう旅行会社が保証する制度である。やむを得ない事情で変更するときは、代替サービスの手配が行われ、その変更は最小限になるよう求められるので、フライトのキャンセル等が発生しても、旅行会社で代替手段を手配してもらえるのだ。そのため、急なトラブルに対しても、基本的に旅行会社で対応してくれるのだ。

②緊急連絡先の入手

 旅行中のトラブル発生に備えて、現地の緊急連絡先を入手することができるため、万が一の場合も安心である。当然、パックツアー参加者に対しては如何なる理由があろうとも、旅行者に緊急連絡先を通知するよう旅行会社には義務付けられている。特に、ホテルのダブルブッキングやスリや置き引き等にあった際には、とても役に立つ。

③旅行の中止と取消料

 天変地異(台風や地震)等により旅行の安全かつ円滑な実施ができない場合には、キャンセル料を支払うことなく旅行をキャンセルすることか可能である。特に、今回のコロナウイルス感染拡大による旅行の中止や台風の影響による旅行の取り止めの場合などが該当する。また、旅行のキャンセルに関する手続き(フライトや宿泊予約のキャンセル等)を自ら行う必要が無いため、旅行者の負担がかなり軽減される。

④補償規定の適用

 ツアー参加中に怪我をした場合になどに一定の補償金が、旅行会社から支払われる。具体的には、死亡補償金や入院見舞金等の補償金を受けとりが可能である。このようなトラブルが起きることは望ましくないが、パックツアーの場合には、万が一の事態への備えもなされていると言えよう。

(3)主なデメリット

①航空券やホテルの選択肢の少なさ

 乗りたい飛行機があっても、旅行会社が扱っていない場合はその航空会社を予約できない。ホテルも同様であり、旅行会社と提携している現地のホテルを利用することになるので、立地や設備面で見劣りする部分もある。また、自らの希望(例:特定のホテルでの宿泊)を叶えようとすると、旅行代金がかなり割高になってしまうのだ。

②スケジュールの事前準備の難しさ

 格安のツアーになればなるほど、ホテル等の立地が悪くなる傾向がある。また、宿泊ホテルが知らされるのは、出発日の1週間前程度に送られてくる最終行程表になるため、旅の事前準備をするのに時間が足りないという事態がしばしば生じる。

③柔軟性の低さ

 突然休暇を取得することができるようになり、旅に出たいと思っても、通常3週間前程度には旅行会社を通じて旅の予約をしておく必要があるので、事前に計画的に休暇等を取得しておく必要がある。突然の旅行願望に対応するのは、パックツアーの場合には困難である。

弐の巻:個人旅行について

(1)主なメリット

①自由度の高さ

 航空券やホテルの手配等は自ら行うことで費用を抑えることができるので、ホテルやフライト選択の自由度が高い。また、自らのスタイルにあった旅行スケジュール等を作ることができる。

②スケジュールの組みやすさ

 特にホテルを事前に決定できるので、自らの行動に併せて宿泊施設を予約できる。また、予算に合わせた予約もでき、ドミトリータイプのホテルやユースホステルへの宿泊などもできる。

③柔軟性の高さ

 航空券比較サイトやホテル比較サイト等を利用すれば、すぐに旅に出ることができるので、思い立ったらすぐに行動が可能である。

(2)主なデメリット

具体的な例を挙げて、次章で詳説する。

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